幼い頃、我が家では動物好きの父がペットと称して色々な動物を飼っていた。 犬、九官鳥やメジロ、カナリアに文鳥、ニワトリ、カメと日曜大工が得意な父が檻を作り、それは賑やかだった。 よく野良猫が侵入し、鳥をくすねていった。 父は怒りながら破れている柵を直していたものだ。 父は猫がよっぽど憎かったらしく、一度も飼った事は無かった。 当時はスピッツやチワワが人気の犬だったが、飼っていたのは何処で拾ってきたのか解らない犬。 外で飼うのが当たり前でドッグフードなど無い時代、私は犬に残飯をよく運ばされていた。 当時私は動物には全く興味が無く、九官鳥に言葉を教えるぐらいで、母は「くさい」「汚い」という言葉をよく…