備後国の福山湾に面した港町。中世までは蔵王山から南へ突き出た深津丘陵(深津高地)によって深い湾が形成されていたとみられる。現在の広島県福山市東深津町*1。9世紀の文献に市場の賑わいが記されており、中世においても活発な商取引があったと推定される。 古代の深津市 京都と備後をつなぐ経済拠点 毛利元康の支配 水野勝成の入部 参考文献 古代の深津市 9世紀前半に成立した『日本霊異記』下巻第27「髑髏の目の穴の笋を掲キ脱チテ、祈ひて霊しき表を示す縁」に深津市がみえる。物語の時代は宝亀九年(778)、登場人物は備後国葦田郡(広島県府中市から福山市新市町あたり)の住人。深津市は人々が正月に必要な物資を買い揃…