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水五訓

(一般)
みずごくん

一部で黒田如水作、太田道灌作、王陽明作などと誤って伝えられる偽名言、通俗人生訓。

一、自ら活動して他を動かしむるは水なり
一、障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
一、常に己の進路を求めて止まざるは水なり
一、自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
一、洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり 雪と変じ霰と化し疑っては玲瓏たる鏡となりたえるも其性を失わざるは水なり


これを数人の協力者と共に調査した中国文学者でコラムニスト・高島俊男によると、俗に伝えられる作者の言葉でないことは、江戸後期の蘭学者が訳語として作った「蒸気」と言う言葉があることや、「水が蒸発して雲になる」というのちの科学知識が入っていることからも明らかだという。

高島らの調査では、昭和四年二月号の講談社「キング」に掲載された大野洪聲の文章「絵入教訓 水五則」が、辿れる限りの一番古い資料だとしている。
これらの調査結果は

お言葉ですが…〈別巻1〉

お言葉ですが…〈別巻1〉

に詳しい。

また、永平寺にはこの水五訓をモチーフにし、「水」を「石」にして石の特徴を教訓のように語った「石徳五訓」が彫られた石がある。また、伊香保の五徳山水澤寺は「水五徳」としている。


高島は
「幼稚単純な手口」
「社会的にわりあい地位が高い人たちで、そのなかの、むかしの文章を見たことのない、知的レベルの高くない人に信奉者が多いらしい」
「永平寺と言えば小生でも名を聞いたことのある寺だが、つまらぬことをやっているものだ」
「いよいよ寺と坊主に対する軽侮の念を強くした」
など、批判的に言及している。

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