私が小学生の頃。つまり一九七〇年代から八〇年代にかけて。通学路にはよく犬の糞が放置してあった。風化して乾ききったものもよくあった。誤って踏んでしまうようなこともあり、その際は友達と大騒ぎをした。二一世紀となったいま、犬の糞が道に落ちていることは少ない。飼い犬が屋外で糞をすれば、飼い主がそれを持ち帰ることがマナーとなっているからだ。 なぜ君は持ち帰りたいのかね。 コロナウイルスによるパンデミックが起こり、行動制限が厳しく言われた。それが少し緩んできて、鎌倉にも観光客が戻ってきた。北鎌倉にはお寺やハイキングコースの入り口などが多数あるので、山歩きの格好をした人たちも多くなってきた。 観光客が増える…