『中世の葬送・墓制 水藤真著 吉川弘文館¥1900』この間読んだ『死者のゆくえ(佐藤弘夫著)』に引き続き、中世の葬送についての本です。平安時代前後に関して『死者のゆくえ』では、「天皇・高級貴族・高僧以外は遺体には無関心、死者への法要などの世間的体面を保つことには関心はあっても、遺体は放置後どうなろうと興味なかったようである」との主旨を読み取ったのですが、こっちの本では、「そもそも葬送の方式が各時代それぞれにおいて単一無二などということは決してないのであって、むしろ複数の葬送方式が同時に絡み合いながら存在する、という考え方のほうが自然である」とあります。高級貴族から一般庶民まで、それぞれの階級が…