昭和45年5月24日生 沖縄県那覇市生 沖縄県石垣市出身 早稲田大学人間科学部人間健康科学科催眠専攻中退 平成6年「バガージマヌパナス」で日本ファンタジーノベル賞を受賞。「風車祭(カジマヤー)」は直木賞候補となる。他の著書に「復活、へび女」「夏化粧」「ぼくのキャノン」「レキオス」「シャングリ・ラ」などがある。
著者お得意の沖縄ファンタジー。「テンペスト」「シャングリラ」のような重厚なものも読ませるが、「風車祭」的な軽みのある雰囲気も好きで、本書は後者のタイプ。 一代で財を築いた傑物の漣おばぁを慕う孫の三姉妹にある遺言を残す。漣おばぁの父親の遺したお宝を見つけた者に米軍基地内に残る廟所の祭祀権を相続させるというもので、そんなもの要らないと思った少女時代の孫娘たちだが、実は膨大な借地料の絡む物件であり、長じた三姉妹はドタバタのお宝争奪戦に乗り出すのだった。 長女の汀(なぎさ)は小学生のころ舞踏に秀で色香もたっぷり、長じては銀座のクラブの経営者として成功している。次女の泉は行動力溢れる水中考古学者で、探索…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は池上永一「シャングリ・ラ」。 2005年発表作品。 シャングリ・ラ 上 (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon シャングリ・ラ 下 (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon 池上永一は1970年生まれで自分と同世代の作家さん。 沖縄・石垣島出身で沖縄の風土に根ざしたぶっ飛んだ物語を生み出してます。 琉球王朝を題材にした大傑作「テンペスト」でご存知の方も多いかと。 本作「シャングリ・ラ」は沖縄ではなく、近未来の東京が舞台となっています。 加速する地球…
快晴。 新しい歯磨き粉(新しくない)のおかげかお口もすっきり気持ちの良い朝。 murayoshinouen.hatenablog.com 朝は寒いが、昼は半袖でも全然いけちゃうご機嫌な陽気。 今日の仕事は会社を飛び出していろんなところを回る。 こんな天気の日は外回りもいいもんだ。 思いのほかタイトなスケジュールのため、お昼はファストフードをテイクアウト。 車内で食べながら次の場所に向かう。 なんだか忙しい企業戦士になったみたいだ。 ちなみに食べたのはマックでもモスでもなくあえての『サブウェイ』 どう? ちょっと一味違う大人を演出してるでしょ? サブウェイが大好きなのでわざわざ遠回りしてまで買い…
ほかの方のブログで知った小説。装画 遠田志帆 装丁 鈴木久美 野生時代に2015/11~2016/12連載。『テンペスト』以来、作者は有名な単語に何かを仮託するシリーズでも始めたのでしょうか。『トロイメライ』、『黙示録』、そして本書。 ヒストリア 作者: 池上永一 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/08/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る ゲバT表紙ですが、エルネストはあまり出ません。主人公とチェのセックル描写はあります。納屋の麦藁の上で、主人公がエルネストをおまたでギリギリしめつけ。オダギリジョーをしめつけるわけではなく、勿論阪本順治をし…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は池上永一「レキオス」。 2000年発表作品。 レキオス (角川文庫) 作者:池上 永一 KADOKAWA Amazon 池上永一は沖縄・石垣島出身の作家さん。 沖縄の伝承に基づく豊かな物語に特色がある方かと。 本作「レキオス」の舞台は西暦2000年の沖縄本島。 米軍から返還された荒地に巨大な魔法陣が出現することにより物語の幕は開けます。 主人公となるのは白人と日本人のハーフの母と黒人米国軍人の父との間に生まれた女子高生・デニス。 ポルトガル語で「琉球人」を意味する「レキオス」。 その真の意味・…