『新源氏物語』一 改版/田辺聖子/新潮文庫/2015年刊 『方丈記』/鴨長明/浅見和彦 校訂・訳/ちくま学芸文庫/2011年刊 源氏物語といえばイケメン貴公子があちこちで女をたぶらかしては泣いたり泣かせたりするお話でしょ、私は別にいいや、と敬遠していたのだが。お正月を過ぎた頃、今年のNHK大河の放映に合わせて本屋で各種関連本が平積みになっているのを見て、なにげなく手に取ったのが田辺聖子さんによる『新源氏物語』だった。 頁を開くと「光源氏、光源氏と、世上の人々はことごとしいあだ名をつけ、浮わついた色ごのみの公達、ともてはやすのを、当の源氏自身はあじけないことに思っている」……え、なんかゴメン。「…