京都府の日本海側、リアス式海岸の深く入り組んだ湾の奥に舞鶴市はある。近畿北部最大の港湾都市である。舞鶴市は、西舞鶴と東舞鶴という、歴史的発展過程も港湾機能も異なる二つの街からなる。双核都市、連接都市(コナベーション)といえる。今回は、東舞鶴を歩いてみた。 五老ヶ岳から望む舞鶴湾 東舞鶴地区は、旧帝国海軍によって造られた街といえる。1901年、一介の漁村だった所に、海軍鎮守府(海軍の基地)が設置された。波静かな深い入り江が軍港の適地とみなされた。横須賀、呉、佐世保に次ぐ4つ目の鎮守府で、日本海に睨みを効かす海軍基地として、多くの艦艇が配備され、それらの艦艇を建造、修繕する工廠も設置された。軍人、…