2024年甲辰 九月三日火曜日 今年2度目の海龍王寺隅寺心経が伝わる海龍王寺は、奈良時代の政治家藤原不比等と深い関係があります。 不比等は、平城京遷都の際に土師氏から土地を譲り受け、邸宅を構えました。その邸宅の北東隅にあった寺院が、後に海龍王寺となったそうです。不比等の死後、邸宅は娘の光明皇后が相続し、皇后宮となりました。光明皇后は、遣唐留学僧の玄昉が無事に帰国することを願い、寺院の伽藍を整備しました。 遣唐使として唐に渡った玄昉は、帰国途中に遭難の危機に直面しました。 彼は約18年間唐で学び、天平7年(735年)に帰国の途につきましたが、航海は非常に危険なものでした。 玄昉が帰国すると、聖武…