30過ぎるとこういう物語が響いてくる。 『清く貧しく美しく』石田衣良 30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規の堅志と、スーパーでパートをする28歳の日菜子。二人はおたがいを守りあって生きていこうと決めた。だが、堅志に正社員登用の話がきたことをきっかけに、日々に少しずつ変化が訪れる―。(Amazonより) 石田衣良といえば、『池袋ウエストゲートパーク』や『4TEEN』のような、年齢に限らずどこか爽やかさや輝きがあるような作品が魅力だし、『北斗』のようなズドンと絶望が押し寄せてくる物語も大好き。 だけどこの物語はそのどちらでもなく、楽観的すぎるわけでも悲観的すぎるわけでもなく、アラサーで非正規や…