人を殺め、滝行では死んで命を復活させられたり、源頼朝との出会いなど、数奇な運命を辿る文覚上人の逸話をご紹介します。 文覚上人(もんがくしょうにん) 文覚上人(もんがくしょうにん)出家前は「遠藤盛遠」(えんどうもりとお)後白河法皇や源頼朝に重用された、平安時代後期から鎌倉時代前期にかけての僧侶で、「神護寺」の興隆に力を尽くした人物。<袈裟と盛遠>遠藤盛遠は、上皇が居住する院御所の警備を担う北面の武士として鳥羽天皇の皇女・統子内親王に仕えていた。同じ北面武士で従兄弟であった「源渡」の妻「袈裟御前」(けさごぜん)に一目惚れしたことで最悪の事態が。彼女に「言うことを聞かなければ、お前の母を殺す」と脅し…