臨床精神科医。 1947年生まれ。愛知県名古屋市出身。名古屋市立大学医学部卒業。 名古屋児童福祉センター、愛知教育大学の障害児教室・治療センターなどを経て、2003年4月より大正大学教授(人間科学部人間福祉学科臨床心理学専攻)。 『そだちの科学』(日本評論社)の編集人を務めている。→amazon:そだちの科学
滝川一廣氏の「学校へ行く意味・休む意味」を読んだ 前に読んだ田中茂樹氏のおすすめ本だったから なぜ不登校が起きたのか 歴史をさかのぼって順序立てて時代背景も丁寧に説明してくれる 学校の聖性も喪失し 学校へ行かないという選択肢は起こるべくして起きたと思う はじめに不登校という道を作った先駆者たちは本当に大変だったろう この本は2012年に書かれた本だが 滝川氏ならその後の不登校をどう書かれただろうか 近いうちに不登校という言葉が死語になるのではないだろうか 学校へ行かないことで教師たちから白い目で見られることもない 今まさに学校へ行かないのが当たり前の時代が 疫病と共に急速にやってきた 学校へ行…
3月が終わる。 一月は往ぬる二月は逃げる三月は去る、と言うそうだが、たしかに。 あんなに夜が明けるのが遅かったはずなのに、気がつけば5時半過ぎには外は明るくなっている。春分の日を過ぎたのだから当たり前のことなのだが。 カラッと晴れない。晴れが続かない。桜が咲き始めてから冷え込みが続く。今朝も寒かった。 午前中、二人で恩田川の桜を見てきた。 近くのクリエイト、飲み物を買って30分ほど駐車させてもらう。 ここは毎年のように来ているが、今年もよかった。 恩田川の流れにむかって枝垂れ桜のように枝が伸びていて、なんとも艶があってあでやか。それが数百メートル続く。今日はカワセミも目撃。境川で見るカワセミよ…
「不登校」最終解答試論 喜久井伸哉 かつては「学校恐怖症」や「登校拒否」だった名称が、なぜ「不登校」になったのか。言葉の歴史をたどることで、現在の「不登校」論の問題点を洗い出します。(全3回 /文・喜久井伸哉) 「不登校」と名付けられるまでの歴史 概要 「登校拒否」から「不登校」への分岐点 付録 「不登校」類語・関連語リスト 主な用語 臨床的な用語 その他の関連用語 「不登校」と名付けられるまでの歴史 概要 記事が長くなったため、前回までの説明を含めて、おおまかな流れを記します。 日本で「学校に行かない子供」が社会問題にされるとき、1990年頃までは「登校拒否」という呼び名が主流でした。 「登…
「不登校」最終解答試論 喜久井伸哉 かつては「学校恐怖症」や「登校拒否」だった名称が、なぜ「不登校」になったのか。言葉の歴史をたどることで、現在の「不登校」論の問題点を探ります。(全3回 /文・喜久井伸哉) 「不登校」の名称の歴史 類語・関連語小辞典 ② 登校拒否(とうこうきょひ) 不登校(ふとうこう) 登校拒否(とうこうきょひ) 「登校拒否」は「スクールリフューザル(school refusal)」の直訳です。この翻訳語が、「学校に行かないこと」をめぐる言葉の歴史の、最大の転換点だったといえるでしょう。 日本の公的な記述で初めて「登校拒否」という言葉が確認できるのは、1957(昭和32)年、…
7歳の男児。落ち着きのなさを心配した両親に連れられて来院した。学校の担任から、授業中じっと席に座っていることができず勝手に席から離れること、おせっかいが多く同級生の邪魔をしてしまうため喧嘩になること、忘れ物が多いことを指摘されている。自宅では後片付けや整理整頓が苦手だが、自分の好きなゲームには集中して取り組むことができる。外出時に車が来るのを確認せずに飛び出してしまうことがある。出生時に異常は指摘されなかった。乳幼児期の発達で明らかな遅れを指摘されたことは無い。神経診察を含む身体診察に明らかな異常を認めない。 現時点で考えられる疾患について正しいのはどれか。 a 知的障害を伴う。 b 有効な薬…
監修:岩波 明[いわなみ・あきら](1959-) 精神科医。精神生理学(うつ病の薬物療法、統合失調症の認知機能障害、精神疾患と犯罪など)。 著者:小野 和哉[おの・かずや](1960-) 著者:林 寧哲[はやし・やすあき](1966-) 著者:柏 淳[かしわ・あつし](1963-) 著者:本田 秀夫[ほんだ・ひでお](1964-) 著者:松岡 孝裕[まつおか・たかひろ](1988-) 著者:横井 英樹[よこい・ひでき] 著者:鈴木 慶太[すずき・けいた] 著者:高山 恵子[たかやま・けいこ] 編集協力:佐々木 とく子[ささき・とくこ] フリーライター。 NDC:493.76 内科学 おとなの発…
文 喜久井伸哉/「不登校」最終解答試論① 小中学生の「不登校」は24万件を超え、近年増加を続けています。これは一般的に「問題」と考えられていますが、歴史的に見ると、「子供が学校へ行かないこと」は珍しくありませんでした。今回は、あまり語られることのない「学校」の裏歴史をお届けします。 「殺されるから学校に行くな」 百数十年前の日本では、大人たちが学校を焼き払っていた。 ネットの「炎上」ではなく、実際の放火である。 明治政府が広めようとした「学校」制度に、多くの人々が反発していたためだ。 当時の日本は、西洋に習った近代化を推し進めるために、強引な手を使ってでも、勤勉な工場労働者を増やす必要があった…
「こころ」の本質とは何か (ちくま新書) – 2004/7/6 滝川一廣 (著) 本書は『「こころ」の病はけっして「異常」ではなく、人間の「こころ」の本質の、ある現われとして把握する』と紹介されている。 ~昨今の少年事件で「ふつうの子」が「とんでもないこと」をしでかして!という驚き方がよくされますでしょう。力動精神医学では、それも人間にはありうることだ、まして成長途上の未熟で無分別な子供なのだから何をしでかしても驚くにはあたらぬととらえ、そのうえでそのような事件も引き起こしうる人間の「こころ」とは何か、「こころ」の成熟、未熟とは何かを考えようとします。~ どんな少年事件も驚くな。人間にはありう…
社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師試験を目指されている方が受験勉強に取り組まれる中で、「この資格を合格した後に活かせるのだろうか」という漠然とした不安を抱えられる瞬間が訪れるかもしれません。 はたや、苦労して合格を手にできたものの、活かし方がわからずに、悩まれている方もおられるかもしれません。 身近に資格を活かしているロールモデルがいれば良いのでしょうが、万人がそのような環境に属しているわけではないでしょう。 そこで、今回は、心理職、対人援助職の現場で資格を活かしている方々が紹介されている書籍を3冊取り上げました。 みなさんの進路を照らす一助になるかもしれません。 ※主に公認心理師が多いで…
図書館は、冷房完備の事務業務に最適 昨日面白いことに出会った。 家で、パソコンをたたいているのもいいが、少し環境を変えてみようと、車で10分程度の市の図書館に出かけた。勿論、冷房完備を見越して、涼しいところで資料作りをしてみようと思い立ったわけだ。 外の川や海が見える窓際に陣取ってパソコンをたたき出した。木製の椅子に難点はあるものの快適に仕事は進んだ。2時間ほどして、さて帰ろうかと振り向くと、そこには円テーブルが、、、、そして、なぜか、”不登校” 関連の本が並んでいた。 たまたま見た本 たまたま、その中の一冊の本を取る。パラパラとめくると、目次が目に付く。12章、学校へ行く意味、休む意味という…