臨床精神科医。 1947年生まれ。愛知県名古屋市出身。名古屋市立大学医学部卒業。 名古屋児童福祉センター、愛知教育大学の障害児教室・治療センターなどを経て、2003年4月より大正大学教授(人間科学部人間福祉学科臨床心理学専攻)。 『そだちの科学』(日本評論社)の編集人を務めている。→amazon:そだちの科学
2019年6月のブログです * 児童精神科医の滝川一廣さんの『新しい思春期像と精神療法』(2004・金剛出版)を再読しました。 5月の遊戯療法学会で滝川さんのお話をお聞きして、やはりすごい人だと思い、この本も再読しました。 いい本です。 臨床中心に、理屈ではなく、現実をわかりやすく説明してくださいます。 特に、デビュー論文が摂食障害の論文だったということもあって、摂食障害とその治療についての記述がすごいですし、それでいてわかりやすく、身近な感じがする論考です。 例によって、印象に残ったことを一つ、二つ。 一つめは、いじめについて。 いじめは悪ふざけのレベルから恐喝や傷害のレベルまで幅広いのです…
2019年5月のブログです * 先日の遊戯療法学会で児童精神科医の滝川一廣さんのお話に感心をしたので、本棚の隅っこにあった滝川さんの『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』(2004・ちくま新書)を見つけ出して読む。 久しぶりだが、いい本だ。 統合失調症の発症の経過がとてもていねいに説明されて、中井久夫さんと同じくらいにわかりやすい。 幻聴の生じ方もよく理解できる。 自閉症に関しては、共同性という概念の導入で、こちらもとても理解しやすい。 自閉症が単なる発達の正規分布の一部であることも述べられて(いわゆる自閉症スペクトラムだ)、いたずらに原因追及をすることの弊害も説明さ…
滝川一廣氏の「学校へ行く意味・休む意味」を読んだ 前に読んだ田中茂樹氏のおすすめ本だったから なぜ不登校が起きたのか 歴史をさかのぼって順序立てて時代背景も丁寧に説明してくれる 学校の聖性も喪失し 学校へ行かないという選択肢は起こるべくして起きたと思う はじめに不登校という道を作った先駆者たちは本当に大変だったろう この本は2012年に書かれた本だが 滝川氏ならその後の不登校をどう書かれただろうか 近いうちに不登校という言葉が死語になるのではないだろうか 学校へ行かないことで教師たちから白い目で見られることもない 今まさに学校へ行かないのが当たり前の時代が 疫病と共に急速にやってきた 学校へ行…