五島美術館所蔵の無学祖元の書 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は鎌倉仏教の生まれた社会的背景や当時の日本の仏教界の状況などの基本的知識をお話しようと思っています。 その準備のために、いろいろな資料を整理していたのですが、今まであまり興味を持って読むことのなかった資料に偶然であいました。 その資料は、華厳学研究所所長だった小島岱山氏の書いたもので、鎌倉時代の仏教界において、実は中国からの渡来層たちが大きな役割を果たしていたのだという主張です。小島氏は、鎌倉期を代表する仏教者は法然や日蓮ではなく、建長寺の開山である蘭渓道隆(大覚禅師:1213~78)だろうと述べています。 大覚禅師の最大の功績…