『翼の創世記』🄫Marino Matsushima 禁無断転載 ビルの地下に降りてゆくと現れる、こぢんまりとした劇空間。舞台奥、そして場内左側の黒い壁には、科学者たちの名前、アイディアの断片、設計図など、ライトの兄弟の弟オーヴィル(オーヴ)の“脳内にあるもの”が、ぎっしりと描き込まれている。(美術=池宮城直美さん) 舞台上手に演奏者(作曲・音楽監督の森大輔さん)がスタンバイすると、静けさの中、奥の扉から老境のオーヴが登場。先ほどまでインタビューを受けていたという彼は、“世紀の発明”が戦争に利用されていったことを取材者から暗に批判され、虚しさに包まれている。“死の商人”と呼ばれながら、自分はいつ…