二人の世界では「無銭優雅」でも、はたからみれば「呑気な貧乏人」なんだろうか(いや、そんなこともないと思う!)読みながら気持ちが右往左往する、刹那を生きるキリギリスな恋物語だった。 そしてもう、これはわたしの人生か?と思うほどに、中年に差しかかる自分にリンクした小説だった。 無銭優雅 (幻冬舎文庫) 作者:山田 詠美 幻冬舎 Amazon 花屋で働く時雨(じう)と塾講師の栄はともに40代。「心中する前日のつもりで恋をしてみないか」がテーマの、二人の恋の日常が綴られている。 日常に寄り添う恋愛小説の引用たち 舞台は西荻・吉祥寺の狭い界隈 大人のイタい恋…いや、恋したら大概こんなもんだった 「心中す…