北海道のヒグマについての調査報告である。 開拓以来、人々はヒグマと隣り合わせで、被害に悩まされてきた。著者は北海タイムス、小樽新聞の被害記事を入念に調べ、開発とともにヒグマの生息と動向が変わったことを明らかにした。 また、なぜ今ヒグマが増加しているのか、それは春の子グマ駆除を廃止したからで、3,000頭あまりだったのが、この20年間で12,000頭、4倍に増加してるという。今や、共存は難しくなっている。 さらに、人喰いクマのDNAは受け継がれるそうで、その学習能力の高さは驚くばかりである。 門崎氏の「ヒグマ」を読んで以来、吉村昭の苫前村三毛別で開拓民を襲った人喰い熊事件をモデルにした小説、「羆…