熊谷守一美術館、往来に面した外装画。 往って帰ってきただけでは散歩にもならない。それほど近所に、熊谷守一美術館がある。一九八五年開館だそうだが、私は記憶していない。気が付いたら開館していた。会社員時代、つまり我が生涯でもっとも目まぐるしかった時期に当っていて、美術界の情報に疎かったのだろう。 熊谷ご夫妻が住んでおられたお宅の跡地が、画伯没後に美術館となり、やはり画家でいらっしゃる次女の榧さんが館長となり、今日まで続いてきた。 二階は企画展示室だが、一階には熊谷守一作品の常設展示室があり、喫茶スペースもある。いつ立寄らせていただいても気持の好い、小美術館である。 悪ガキ時代は、いつもというほどで…