航海~3.父の在宅生活の終わり - TETSUYAの航海 より。父はかかりつけ医が見つけてくれた病院に入院しました。 医療療養病棟。 緩和だけを求める肺がんの父にはうってつけの病棟でした。 親戚たちは古い人間ですから、入院できればなにかしら「よくなる」ものと思っています。 しかし、私は片道切符であることを知っていました。 だから、医師にCPR(心肺蘇生)について聞かれたとき、「いりません」と答えました。 苦しみを長引かせてほしくない。切実にそう思ったのです。 母の意向も知っていました。 古い療養病院暮らしだった祖父(母の父)が亡くなる際、心室細動でもなんでもなく、三度目の心筋梗塞であったのです…