わたしが40代のころ、父が亡くなりました。一番下の弟は、そのときも精神科の病院に入院していました。 弟に父の死を伝えることについて、家族でどんな話をしたのか。そもそも話し合ったのか。それすら、今のわたしにはよく思い出せません。 弟は父が亡くなったことを、新聞のお悔やみ欄で知りました。お悔やみ欄に父の名前が載ったのは、確か葬儀翌日だったはずです。 病院の職員の方から、三番目の母のところに電話がありました。 新聞のお悔やみ欄に父の名前が載っているけれど、本当なのか。 弟がそう聞いている、という電話でした。 三番目の母は「本当です」と答えました。そして、それが弟に伝えられました。 わたしは父が亡くな…