「五月病」と聞くと、かつては新しい環境に適応するための一時的な不調として認識されていました。しかし、今やその「五月病」は、はるかに軽い症状に過ぎません。今日、私たちは年がら年中、五月病どころか、もっと深刻な「うつ病気質」に陥っているのです。 うつ病が「季節病」ではなくなった時代 かつて五月病は、春の新しい環境で感じる疲れや不安、気だるさであり、しばらくすれば回復するものでした。しかし、現代においては、五月病はもはや一過性のものではありません。今、私たちが抱える問題は、年がら年中続く不安と無力感、つまり「うつ病気質」そのものであります。 現代日本では、長時間働くこと、家族や社会の期待に応えること…