3 現代人の「心の世界の狭さ」を生み出したデカルトの理性至上主義 ― 心身二元論における「私」=思考する精神(理性) ②現代人の心の世界を狭くした「理性」 そしてデカルトは、理性によって、自分の「心」を捉えることができると考えました。以後、「心」というものは基本的に理性による「内省(自分の心の中を観察すること)」によって哲学的に研究するものだという態度が、近代を通して定着します。 「自分の心は理性によって把握できる」という近代からの哲学は、「理性によって解る範囲のみが自分の心である」という現代人の「心の世界の狭さ(=意識に偏る)」を生み出す元となりました。 現代人の心の狭さとは、意識の世界のみ…