子曰わく、甯武士(ねいぶし)は邦に道有れば、則ち知、邦に道無ければ、則ち愚。其の知は及ぶ可(べ)きも、其の愚は及ぶ可からざるなり。(「公冶長第五」21) (解説) 「孔子の批評。甯武士は、国がきちんと治まっていたときは、賢者として働く。逆に乱れたときは、呆けて過ごして、身を全うした。彼の賢者ぶりは誰でもまねることはできるかが、その呆けぶりは、なみの者ではなかなか。」(論語 加地伸行) 「甯武士」、甯兪(ねいゆ)が実名。武は諡(おくりな)。紀元前632年頃から623年頃まで活躍した衛の国の政治家。大国の間に介在する小国の政治責任者として、国を守るのに精根を尽くしたと桑原はいう。 「邦に道義が支配…