盤面の敵

（本書のプロットを紹介しています。犯人は伏せています。） 『三角形の第四辺』（1965年）[i]は、前作『第八の日』（1964年）に引き続き、アヴラム・デイヴィッドソンが執筆したものだという[ii]。 ちなみに、この頃のハヤカワ・ポケット・ミステリにおけるクイーン作品の翻訳の順番を見ると、なかなか示唆的である。『盤面の敵』（1963年。翻訳は青田勝で1965年）の次が『恐怖の研究』（1966年）で、原書出版の翌1967年に大庭忠男訳で出ている。シャーロック・ホームズのパスティーシュという話題につられたものだろう。その次が、なんと『二百万ドルの死者』（1961年。青田勝訳で1967年）で、次いで…

（本書の犯人等を明らかにしています。） 『男の首』（1931年）[i]を読んだ。確か、三度目である。一回目は、随分昔で、シムノンに興味があったというより、メグレものの代表作で、傑作だと聞いていたので、読んでみるか、と軽い気持ちで手に取った。その後、メグレ・シリーズを好むようになって、積極的に買い求めてきたが、今のところ、読破したのは三十冊ほどである（河出書房新書版の古書は高価なものが多くて、なかなか手が出せない）。『メグレ警部と国境の町』[ii]とか『影絵のように』[iii]のような、結構レアな本も持っているが（地味に自慢。もらいものだけど）、内容はまったく覚えていない、という以前に、読んだの…

（本書の内容にかなり立ち入っていますので、未読の方はご注意ください。ただし、犯人は明かしていません。） ハヤカワ・ミステリ文庫がスタートして、エラリイ・クイーンのファンが一番驚いたのは、本書『第八の日』が出版されたことだろう。ポケット・ミステリではなく、文庫版が本邦初訳だったのだ[i]。それくらい、本書は早川書房を戸惑わせ、読者さえ戸惑わせた変な本だった。訳者の青田勝が、短いながら的確な解説を書いてくれているし[ii]、同氏が引用しているフランシス・M・ネヴィンズ・ジュニアのクイーン評伝も、その後早川書房から出版され、本書をどう読めばよいのか、懇切丁寧に説明してくれている[iii]。それらに眼…

ランキング参加中ポケモン その他の記事 はじめに：これから対戦を始めて対戦エンジョイ勢になろう【第1回】 受け出し交代、死に出し交代【第2回】 上からの交代技、下からの交代技【第3回】 安定行動とは【第4回】 努力値調整について【第5回】 構築の組み方について【第6回】 厨ポケ=強いというわけではない【第7回】 ここで上から、下からと言っているのは、素早さ(S)が上である。下である。という意味になります。 ③上からの交代技 例） ミライドン（S135）のボルチェンや、 テツノツツミ(S136)のクイックターンなど 攻撃を先にしながら交代するので、気合いの襷潰しや、カイリューのマルチスケイル剥が…

（収録作品の犯人、トリック等のほかに、クリスチアナ・ブランドの代表作について注で触れていますので、未読の方はご注意ください。） エラリイ・クイーンの第五短編集『クイーンのフルハウス(Queens Full)』（1965年）[i]は、またまた「らしい」短編集となっている。ポーカーのフルハウスにかけて、中編三編、ショート・ショート二編からなる凝った構成の、しゃれた一冊である（短編集ではなかった）。 もっとも「ライツヴィルの遺産」は中編と呼べるほどのヴォリュームではないように思うが、これも中編（ノヴェレット）なのだろうか。翻訳では比較は難しいだろうが、『犯罪カレンダー』（1952年）の収録作は、皆こ…