眠りの効用を『有明抄(250508)』は思う◆大型連休が明け、まだエンジンのかからないご同輩は多かろう。〈猫は鼠を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる。時には自分の魂の居所さえ忘れて正体なくなる〉夏目漱石◆眠気でぼんやりした頭も、しっかり眠れば「忘れる」よりむしろ「思い出す」ことができるとか◆睡眠中に脳は、翌日出会う新しい記憶の保存場所を準備しているという。目をつぶって未来を思い描いている、そんな姿を想像してみる。過去にばかりとらわれて思い悩む気持ちが、いくぶん軽くなりそうな◆小欄もひと眠りして、あすこそ目の覚めるような一文を…って無理か。〈寝てくらす人もありけり夢の世に〉漱石。 (私は)…