MI13、発動!~55歳どら息子、老舗和菓子店とプロポーズを懸けた無謀な挑戦、始まる~ 1. 導入:突然の電話と、スクリーンに映る「絶望」の現実 ある日の穏やかな日常を破る、一本の電話だった。 「親父が倒れたぞ。脳梗塞だって……」 病院のベッドで、半身不随となり変わり果てた親父の姿を見た時、頭が真っ白になった。そして、実家の老舗和菓子店のシャッターが閉まりがちな様子を目にした時、胸に鉛のようなものがのしかかった。 正直なところ、私は菓子作りには全く興味がなかった。ずっと普通の会社員として働き、親父とは半ば勘当状態。「なぜ俺が……」と、心の中で半ば諦めと、情けない自分への苛立ちが渦巻いていた。 …