人やものの機微はアナログでなければならない 児 島 庸 晃 俳句を作っている良さはなになのだろうと考えてみるときがある。そして多くある文芸のなかで何故句つくりをするのか、考えているときは私にとっては一番幸せな時間なのかもしれない。物を見て感じて何かを心に残すその瞬間の喜びは短詩系文芸以外にないからであるようにも思う。私はエッセイも小説も短歌もシナリオも書いてきたが、やはり究極は短詩系文芸ではないかと思えるようになった。そして純粋に見つめる心はデジタルではないようにも思えるようになった。即ち伝統のもつ心はアナログでなければならないようにも思える そのきっかけは「十五夜にいったん帰京いたします」の…