一条真也です。たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「歌」です。 歌というものを見直す必要があります。戦国史研究の第一人者である静岡大学教授の小和田哲男氏によれば、和歌や連歌は戦国武将たちの教養として欠くべからざるものであったといいます。加藤清正などは、武士があまりに和歌・連歌に熱中してしまうと、本業である「武」の方がおろそかになってしまうことを警戒していたぐらいだったというのです。 北条早雲は、「歌道を心得ていれば、常の出言に慎みがある」…