吉村昭『破獄』 今日は読書の話題です。まず、吉村昭の『破獄』。 1983年に出版された長編小説。題名の「破獄」は脱獄のことで、犯罪史上未曾有の4回の脱獄を行った佐久間清太郎と、それを防ごうとする刑務官たちの戦いを描いている。 主人公の佐久間清太郎には、4度の脱獄を繰り返した実在の受刑者である白鳥由栄というモデルがいて、作者は白鳥に関わった人物(小説内では府中刑務所長の鈴江 圭三郎にあたる)に話を聞き、それを基にしてこの小説を書いたという。 戦前の貧しい東北に生まれた佐久間清太郎は、ある強盗事件で人を刺殺して、死刑を求刑されるが、刑務所から脱獄する。捜索の末捕らえられた佐久間が明かした脱獄の方法…