その部屋に入った時、驚愕のため声も出なかった。本棚には雑誌「GUN」のシリーズや銃に関する本が目白押しだった。さらに驚いたのは、壁を埋め尽くさんばかりに掛けられた小銃の数々。友人はいった。 「これまで、この部屋には誰も入れたことがないんだ。だって、銃器マニアならまだしも戦争好きなんて見られるのはいやだからね」 ハンドルを強く握る男は前方に注意を集めようと努力しつつ、大輔に話しかけた。 「あのう、軍曹殿、狙撃銃による射撃は、制式銃とはだいぶ違いますか」「ああ、全くな。何しろ一キロ近い距離の標的を一発づつ込めて撃つんだからな。」「何が一番違うのですか」 大輔は突然、何の脈絡もなくドライバーの彼の名…