新編銭形平次捕物控:野村胡堂 1935年(昭10)千代田書院刊。 1956年(昭31)河出書房刊、銭形平次捕物全集第2巻。 最近読んでいたのは「銭形平次」の長篇ばかりだったので、まとまった短編集も読んでみたいと思った。昭和10年に出版された「平次物」の第2短編集14篇の本が見つかったので通読した。(第22作目から第36作目まで) 胡堂の自序がついていて、書き始めて5年という油の乗った筆致が初々しく感じられた。この頃は子分の八五郎を「ガラ八」と書いていて、その後の「ガラッ八」よりも彼に対する態度にやや丁重さが感じられた。まず八五郎にやらせてみるという育成者的な視点もある。八五郎の性格描写、助手と…