1910年(明43)中川玉成堂刊。四国徳島に伝わる狸合戦の話を神田伯龍が講談の形で演じたものの筆記本である。江戸時代までは狐狸と人間との化かし合いなどが多く語られていたが、狸の二大勢力の合戦を擬人的に描写し、細かに記録した物は極めて珍しい。主人公の金長(きんちょう)狸は現在でも明神として祀られている。伯龍の語り口は聞いている分には丁寧だが、それを文章で読むにはやや回りくどい感じもする。☆☆ 国会図書館デジタル・コレクション所載。口絵は鈴木錦泉。(ARC浮世絵ポータルデータベース) dl.ndl.go.jp 実際には続篇が2冊「津田浦大決戦」と「日開野弔合戦」があって、伯龍の口演で刊行されており…