石見国邑智郡久永荘の賀茂神社の門前町。現在の邑南町中野。賀茂神社には鎌倉末期には三重塔が築かれており、戦国期には見世棚55軒が軒を並べる門前市が存在した。 賀茂別雷社領久永荘の賀茂神社 福屋氏と毛利氏 門前市の賑わい 参考文献 賀茂別雷社領久永荘の賀茂神社 中世、中之村のある久永荘は京都の賀茂別雷社の荘園だった*1。久永荘には荘園鎮守として賀茂神社(邑南町中野町)が創建され、同荘の中心となったとみられる。 中之村の賀茂神社は寛元元年(1243)十一月、邑智大宮司安信・番匠大工竹内惣左衛門らにより宝殿が再建されており(『石見国賀茂神社由緒記』)、文永八年(1271)には神宮寺もあったことが史料上…