時代が時代だった。多かれ少なかれ太平洋戦争や第二次世界大戦の戦記物やメカものに惹かれた。それが自分の小学生の話だった。当時の自分のヒーローは王でも長嶋でもなく坂井三郎氏だった。旧帝国海軍の戦闘機搭乗員、ゼロ戦を駆っての64機撃墜は海軍のトップエースだった。少年航空兵から台南航空隊、ラバウル、ガダルカナルでの負傷、内地帰還、硫黄島。終戦。彼の戦歴は諳んじている。坂井氏の著作「大空のサムライ」を今でも大切にしている。撃墜王がヒーローになるとは、戦後20年。無理もなかった。 自分の飛行機への憧れは坂井氏の著作からだった。興味はヨーロッパ戦線にも広がった。欧州駐在を利用して数多くの航空機・戦車の博物館…