久しぶりにゲーテを読んだ。 テキストは古い全集、筑摩世界文学大系の第19巻である。 奥付を見ると、発行は昭和35(1960)年と記されているから、今から半世紀以上前の本ということになる。 箱入りハードカバーの外観、本文は何と三段組。 この時季、炬燵で読書するには、本が開いたままの状態を保持してくれると、手を中に入れて活字を追えるため、このような本はありがたい。 これはほんの余得だけれど、実際、しっかりした作りの重々しい本に、姿勢を正して臨みたい場合があるものだ。 この全集は全96巻+別巻2という大部なものだが、私は古書として30冊ほどの不揃いセットを購入した。 確か、送料を含めても一冊当たり1…