宝永1年8月6日。未(午後1時)前、本屋藤兵衛が隠居屋へやって来たので酒を飲ませる。帰りに台所で倒れ、立ち上がることが出来なくなってしまう。汗が流れ出るが、気は確かで言葉もはっきりしていた。起きようとしてまた倒れ、ひと休みして庭まで行くとまた倒れる。このため僕の家にやり、藤兵衛は休ませる。藤兵衛の家には駕籠を持ってくるようにと人を遣わせる。そのうちに藤兵衛は歩いて帰るので、文左衛門は召仕を付き添わせる。近頃、米野の住む女は姑と仲がとても悪く、殺してくれと神木に釘を打っていた。この木には穴があり、その中から蛇が出て来て婦人の淫門(性器)入った。人々が集まり、これは神だと言って近づかなかった。奇妙…