正徳3年12月17日。今朝、吉原甚大夫が京へ出発する。25両を拝借する。家督の御礼であった。桜の町上る西側伊勢町御金具餝(飾)屋伏見屋の八兵衛と実父権兵衛と八兵衛弟16才の以上3人が牢に入る。八兵衛は七人扶持で、権兵衛は八兵衛の向かいに住んでいた。潰し古金をたくさん調え、それで1分判をたくさん造り、弟および駿河町某の子13才に頼んで売りに出していた。あるいは小判に替えたり、あるいは米銭などを買い求めていた。この童などは上手く売れなかった時、切賃(手間賃)なしで替えますと言うのはこれほど切賃が高いのにと怪しいと町で噂になっているのを目あかしの下代(下役)が聞き出して事が露見すると云々。金の性(室…