予想外のせいたく気分を味わった。 墓詣りの帰途、喫茶店に立寄った。よくあることだ。が、今日は起きぬけに朝食抜きで、家を飛出してきた。時あたかも正午過ぎ。周囲がどことなく昼食の雰囲気だ。空腹でもある。いつもの珈琲に加えて、チーズバーガーを注文してみた。 「チーズバーガーでしたら、ただ今の時間ランチサービスでポテトが付いて、660円のセットをお出しできますけど」 「要りません」 という短い遣り取りが、女性店員さんとのあいだにあった。見栄を張ったわけでも、我慢したわけでもない。じゃが芋は申すに及ばぬ大好物ではあるが、その時には、指先を油にしてまでフライドポテトを食べたくはない気分だった。「では普通で…