20年ほど前に買っておきながら読まずにいた本が、“積読(つんどく)” の山の下から出てきた。読み始めたらなんともおもしろい。中公新書『ふしぎの博物誌』2003。編著者河合雅雄さんの冒頭の1編「究極のリサイクル---糞食」にまず食いついてしまった。 「糞は排泄物のなかでは不潔なものの代表とされている。最近は潔癖症候群を示す人が多く、うんこが手についたというだけでバイキンだらけと震え上がるが、古来から糞尿は人間生活を支える重要な物質だった。化学肥料が出回る前までは、人糞尿は作物の肥料として不可欠のものだった」 たしかに、わが生家でも昭和30~35年ころまで大小便はくみ取って使っていた。しかし、寄生…