大塚淳の『統計学を哲学する』が、統計学の代表的なアプローチである記述統計、推測統計、統計的因果推論について、科学哲学の文脈でわかりやすく整理していたので、以下要約しました。 観察されたデータを要約する記述統計 記述統計は、標本平均や標本分散、標準偏差を比較したり、ヒストグラムやプロットによって視覚化したりすることにより、データを我々が理解できるような形で記述し、要約するための技術である 科学的な言明は現実の経験や観測に基づかなければならないという実証主義(positivism)において、記述統計が活用される 実証主義は、「神」とか「霊魂」とかいった非経験的な原理を科学から排除しただけでなく、科…