科学哲学とは
科学の本質的限界や欠陥、構造や境界についての基礎づけをする学問。
http://kamakura.ryoma.co.jp/~aoki/paradigm/PhilosophyOfScience.htm
具体的には科学の目的・科学の方法・科学的説明・科学理論の変遷といったトピックを扱う。 http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~suchii/SUhome.html
『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』(カルロ・ロヴェッリ 著,冨永 星 訳,NHK 出版,2021年10月30日)を読了した。 量子重ね合わせは直接見えない 観測者も自然の一部であるという視点 相関は第三の対象物との関係で発現する 世界は連続ではなく粒状である 自然はわたしたちの想像力より豊かである ランキング参加中読書 量子重ね合わせは直接見えない わたしたちは決して「量子重ね合わせ」を見ることができず,見えるのは,重ね合わせの結果だけなのだ。それらの結果は「量子干渉」と呼ばれている。わたしたちは重ね合わせによって生じた干渉を目にしているのであって,重ね合わせ自体を見ているわ…
真理と八百屋の値札のあいだで 登場人物: にいちゃん:Z世代の売れないミュージシャン 素朴な疑問を抱く 学者先生: 科学哲学者 可謬主義的科学観を提唱し、「真理には到達できないが、近づくことはできる」と語る。 おばちゃん: 八百屋の店主 値札の書き換えと野菜の並べ方で、日々の変化と積み重ねを読み取る達人 にいちゃんが、八百屋の店先で白菜を見つめている。 おばちゃんは、白菜の値札を書き直している。 「昨日より10円安い」と、手書きの数字が少し傾いている。 にいちゃん:「科学って“なんでもかんでもわかる”ってイメージあるじゃないっスか。でも実際、真理って掴めるもんなんスか?」 おばちゃん:「白菜見…
自分の人生を悔やんでいる私ですが、その理由の一つが進路選択でした。 親の機嫌を損ねないように危険回避のために進路を選択したからです。 結果として新しい発見や学び舎人間関係を手に入れたのでぜんぜんOKなのですが、 強く自由が制限された状況を悔やんでいます。 そこで、最近日課のAI相談。 もし今の私が思春期だったら、どんな進路がいいだろうか? AIと一緒に考えました。 そしたら面白い結果が出たので、それをつづります。 現状の私は、分析好きで、観察好きで、論理的なんですね。 しかも性格的には反骨で、批判的、世の流れに迎合しない。 倫理的にもチョーうるさい! そんな私が思春期だったら進路はどの方面かと…
バブル崩壊を正確に予測することなど不可能に近い。崩壊してからあれはバブルだったと物語るのが関の山なのです。ラッセルが七面鳥の秀逸なたとえ話を残しています。 帰納法の信奉者であった七面鳥が毎日、ご馳走を食べさせてもらうという事実を日々学習します。七面鳥は帰納法から自分の餌は保証されていると推論します。それも感謝祭の当日までの「真実」でしかありませんでした。11月第四木曜日には自分が餌にされてしまいました。 ナシーム・タレブは正規分布にもとづき統計ツールで武装したファイナンス業界のビジネスモデルの信者は帰納法の信奉者の七面鳥と変わることはないといいます。 何をよりどころにすべきかをその主著『ブラッ…
履歴場トポロジーとは、物理・情報・生命・社会・死生観を、孤立した対象の集合としてではなく、履歴が境界で接触し、同期または非同期化し、主経路を選択し、意味として閉じるか、無として切断される過程として読むためのFRAMEである。 補助線は4つとひとつ。 時空等価。境界膜クオリア。エンタングル写像。エントロピー通信。 そして無。 理論というものは、強くなるほど暴力になりやすい 履歴が鍵になる 四つの柱 まず、時空等価。 次に、境界膜クオリア。 次に、エンタングル写像。 最後に、エントロピー通信。 無を履歴切断機構として導入する パラドクスは、境界条件の混線として読める 粒子物理はソリトンとボソンの観…
私は物理論文を書くつもりはない。物理学の内部で検証可能な新理論を提示したいわけでもない。 ただ、物理学が使う概念を、存在論の側から問い直すことには意味があると思っている。 本稿で扱うのは、「点」と「無」と「特異点」についての試論である。ただし、これは物理理論の提案ではない。物理学の計算技術を否定するものでもない。 むしろ逆である。 点という形式がどれほど強力な道具であるかを認めたうえで、その道具がいつ、存在論の顔をし始めるのかを問いたい。 点は便利な道具である 数学上の点は強力な道具である。 物理学においても、点粒子、点電荷、場の一点での値など、点的な理想化は計算と近似のために大きな力を持つ。…
意識、時間、暗黒物質、不完全性。現代の未解決問題は、単に「まだ答えがない問い」なのだろうか。存在論科学はそれらを、知識の欠乏ではなく、人間の認識OSと宇宙の根本プロトコルのズレとして捉え直す。アポリアを壁ではなく、宇宙からの同期信号として読むための入口。 存在論科学から見た、未解決問題の別の読み方 1. 未解決問題は、ただ「答えがない」だけなのか 現代の知は、いくつもの巨大な壁に突き当たっている。意識とはなぜ生じるのか。時間はなぜ一方向にしか流れないのか。暗黒物質や暗黒エネルギーの正体は何か。数学はなぜ、自分自身の内部だけでは完結できないのか。 ふつう、こうした問題は「まだ答えが見つかっていな…
物理学者Max Bornの著作「Physik im Wandel meiner Zeit」(1966)に、面白い一節があった。 Born自身偉大な物理学者*1だが、Einsteinと交友関係にあり、その物理学の発想に感銘を受け、尊敬していた。第24章は1965年の講演。Einsteinの生前やり取りしていた手紙を読み返しながら、彼の哲学、特に因果律について述べている。 Eine ausführliche Erläuterung seines Kausalitätsglaubens, aber auch eine tiefe Betrachtung über seine Grenzen ist …
私たちは分岐系の一つである記憶に従って、時間の方向を意識している。 www.youtube.com 【参考文献】 The Direction of Time (Dover Books on Physics) (English Edition) 作者:Reichenbach, Hans Dover Publications Amazon
このたびわたしが翻訳した本が出版されました(タイトルなどはAIに考えてもらったものを一部修正しました)。哲学者、女性のオーガズムの進化にいどむ: 進化学にひそむバイアスの物語作者:エリザベス・ロイド勁草書房Amazon本書は米インディアナ大学の科学哲学者エリザベス・ロイドが女性のオーガズムの進化および進化研究のあり方について書いた本です。女性のオーガズムの進化は、進化学者が長年取り組んできたテーマの一つです。わたしも昔読んだ動物行動学者デズモンド・モリスの『裸のサル: 動物学的人間像 (角川文庫 モ 3-1)』で、女性のオーガズムの由来が取り上げられていたことを憶えています。本書のテーマは二つ…