評論文には、デカルトが自然の対象化・操作を可能にする自然観を作ったという説明がよくあるかと思います。 例えば、 ゲノムが語る生命 ―新しい知の創出 – 集英社新書 p106「自然の見方のところで問題になったのは機械として自然を見る、機械論的世界観です。このような自然の捉え方の大本にはデカルトの心身二元論があります。このようにして体を物質として解明してきたからこそ、今の生命科学があるわけで、私たちがゲノムを手にできたのもそのおかげです。」 こうした言い方はハイデガーに基づくかと思われる記述がありました。 『反歴史論』(宇野 邦一):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部pp128-129 では、ハ…