叔父が死んだ。享年60だった。 仕事の休憩中、突然母から連絡があった。普段はLINEで一方的に要件を送り付ける母からの電話である。出る前から、嫌な予感がしていた。 「お兄ちゃんが死んだ。来てほしい」 電話口の母は泣いていた。私は二、三の慰めを口にし、それから電話を切った。具体的に何と言ったかは覚えていない。 上司に連絡し、代わりを見付け、なんとか早めに職場を後にすることが出来た。とは言っても、自宅までは一時間近くかかる。電話で母に向かっていることを告げ、私はICカードを改札にかざした。 道中、私の胸にあったのは、しっかりしなければという想いだった。 母や祖母は、きっと取り乱していることだろう。…