正称は「正字」あるいは「正体字」。
古来から中国が使われている由緒ある文字である。
現在は、主に台湾、マカオ、香港、シンガポールで一般に使用されている。大韓民国では学術論文に多用される。公式に採用されているのは台湾のみ。
近世になってから、タイピングの便利により、漢字を廃止する論調があって、その中継として漢字の簡化を行った。
例えば、中華人民共和国が簡体字に、日本は新字体に。
但し、ついに漢字廃止の運動が失敗と見做し、簡化のレベルに留まった。
また、コンピュータが発達する現代、タイピング問題もなくなるのである。
中華人民共和国の大陸部で使用される「簡体字」に対して、漢字感化運動以前の漢字を繁体字という。また、日本で1923年常用漢字表が発表された後、使用されるようになったものは略字、または、新字体と呼ばれる。
逆に、あらゆる事情により、中華人民共和国の漢字簡化運動と反対に、
「伝統的、正しな字形を守ろう」とする中華民国(台湾)などでは、今も「正体字(繁体字)」を用いていることになる。