正直、古今亭志ん生の高座は見たことない。1973年に亡くなっているので、見たとしてもテレビだろう。当時は、落語という芸すら認識していなかったと思う。息子の志ん朝はなんとか生で見ている。江戸を体現した華のある落語家だった。父親の方はもっぱらCDで聞くか、著書の「なめくじ艦隊」「びんぼう自慢」を読んだ程度。借金の取り立てから逃れるために改名を繰り返したといわれるくらい、貧乏の代名詞的な存在でもある。志ん生の娘である美濃部美津子さんが、食事にまつわる父親の思い出をまとめた。 志ん生の食卓 (新潮文庫) 作者:美津子, 美濃部 新潮社 Amazon 貧乏、江戸っ子がイメージの志ん生。食卓と言っても横文…