9話。 公安に所属し諜報員としてバルカ共和国に潜入していた乃木憂助(堺雅人)の父、卓(林遣都)、後のベキ(役所広司)の壮絶な過去が語られ、もはやこの回想シーンで1本の映画を観た気がした。2回目視聴して、その回想シーンが30分にも満たないことに驚いたくらいだ。 それにしても、なんと苛烈で悲しい運命だったのだろう。息子をさらわれ、内乱軍の拷問の果て亡くなった妻、明美(高梨臨)。自らも拷問の末撃たれ瀕死の状態まで陥ったが、若き日のバトラカ(今井柊斗)に助けられ、明美が言い遺した願い、憂助を探し助け出す一念で4年もの間、バルカを訪ね歩いた日々。 そして、息子が死んだと知り絶望と自棄の中で、偶然手に抱い…