●歌は、「河口の野辺に廬りて夜の経れば妹が手本し思ほゆるかも」である。 聖武天皇関宮址万葉歌碑(大伴家持) ●歌碑は、三重県津市白山町 聖武天皇関宮址にある。 ●歌をみていこう。 ◆河口之 野邊尓廬而 夜乃歴者 妹之手本師 所念鴨 (大伴家持 巻六 一〇二九) ≪書き下し≫河口(かはぐち)の野辺(のへ)に廬(いほ)りて夜(よ)の経(ふ)れば妹(いも)が手本(たもと)し思ほゆるかも (訳)河口の野辺で仮寝をしてもう幾晩も経(た)つので、あの子の手枕、そいつがやたら思われてならない。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) 題詞は、「十二年庚辰冬十月依大宰少貮藤原朝臣廣嗣謀反發軍 幸…