元禄13年6月26日。辰半(午前8時)過ぎ、長久寺筋近江守中屋敷で大公の中間が喧嘩をする。近頃、土用干しをすると能道具などが多く紛失していた。巾下の住む中間が盗んだようで、番明けに仲間中間2人を遣わし、巾下の家で捕まえようとした。盗んだ中間はこれに気づいて2人に切りつけ、近江守家来100石取中六大夫裏へ走り込み自害する。切られた中間1人は死んでしまう。犯人は小姓部屋タバコ番勘七だった。切られた1人は御狭箱持円助、もう1人は御駕籠の者小右衛門。切られた者すぐには死んだわけでなく、家へ帰ってから死んでしまう。あるいは死ななかったとも。この者の兄は杉之町に涼みに出かけて戯れに相撲を取り、放り投げられ…