🌿🎼嵐を纏う written by のる 🌿 聞いておいでになった太后の 源氏をお憎みになることは 大臣の比ではなかったから、 非常なお腹だちがお顔の色に現われてきた。 「陛下は陛下であっても 昔から皆に軽蔑されていらっしゃる。 致仕の大臣も大事がっていた娘を、 兄君で、 また太子でおありになる方にお上げしようとはしなかった。 その娘は弟で、貧弱な源氏で、 しかも年のゆかない人に婚《めあわ》せるために 取っておいたのです。 またあの人も 東宮の後宮に決まっていた人ではありませんか。 それだのに誘惑してしまって それをその時両親だってだれだって 悪いことだと言った人がありますか。 皆大将をひいき…