弥生三月。花見月。修二会の声が聞こえてくる 三月。和名なら弥生である。日本の古語で「弥(いや)は《ますます》、「生(おい)は《生い茂る》」を意味していたと言われている。つまり「ますます生い茂る」というわけだ。 ますます生い茂ると言われても、この寒さではピンとこないが、月も半ばを過ぎる頃になると春を実感できるようになる。 そんな三月。奈良・東大寺二月堂では『修二会』が始まった。一般的に、法要のなかで行われる儀式の名称である「お水取り」を切り取って総称としている法要である。 正式名称を「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要」と言うこの法要は鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽を願う法要…