カンディンスキー「即興27(愛の楽園Ⅱ)」(1912) スタイルの変遷 カンディンスキー、といえば抽象画の元祖です。モンドリアンとカンディンスキー、この2人が最初に、絵というものは具体的な何かを描かなくてもいい、色と形だけで絵になるのだと考え、それを実践したとされています。 もちろん2人とも、最初から抽象画を描いていたわけではありません。カンディンスキーについていえば、もともとは表現主義の人で、フランツ・マルクらと「青騎士(Der Blaue Reiter)」という表現主義芸術運動のグループを結成していました。ざっくりとした筆づかいと強烈な色彩で、最初は主に風景を描いていたのですが、だんだんと…